川原達二の十中八九N・G

季節は真夏で若者たちはバカンスを楽しんでいた。
ハワイでみたこともないマリンスポーツをしてる日本人が取材をうけてる様子を、隣でみてた。
皆楽しそうに笑ってる。僕は2階建てのバスに乗っている。

国内でも仲間内で、温泉旅行に行こうという話があちこちで出てる。
僕も温泉に行ってみたいなぁ。でも、一緒に行く相手がいない。
お金を出せば、ついて来る人もいるかもしれないけど、それでもイヤイヤ来られても、かえって気を使ってしまう。

僕は何かのパーティーに紛れ込んでしまった。芸能人の結婚式だろうか。バンドが演奏をしてる。
僕はポツンと四角いソファに座ってる。
僕はこんな不釣合いな場所に、短パンと踵を踏んづけたスニーカーで来てしまった。靴下も履いていない。
僕には飲み物も渡されなかった。

するとそこに山口百恵がやって来て、「いた!もう行きましょう」と僕の腕をとった。
「こんなところにいても楽しくないでしょ」と言った。
僕はずっと君を探してたけどどこにもいなかった、と言うと、
「バカね。こころのノート、を持ってるでしょ?
それを持ってる限り、私はいつだって、あなたと一緒にいるって言ったじゃない」と笑った。

僕は、こころのノート、を持っていた。彼女も、こころのノート、を持っていた。
彼女の、こころのノート、をみせてもらったら、ナボコフや芥川龍之介やトロッキーの格言が綺麗な字で書かれていた。
山口百恵は、「今度温泉に行きましょ。その時は、こころのノート温泉用を作りましょ」と名案を出した。
彼女はいつも良いことを思いつく。
僕と彼女は移動しながら、陽のあたる廊下を歩いていて、僕は<ねぇねぇ、メタ的な話になっちゃうけど、
山口百恵が選んだ名言集、って本を出したら売れるかもよ>と提案したら、彼女は何も言わないで、口元だけで笑った。

彼女は多忙だ。いつも一緒にという訳にはいかない。それはわかってる。

これからの僕は何もさびしくない。
こころのノート、があるから。僕は彼女といつも一緒だよ。

BGM. 山口百恵「お菓子職人」

10 Responses to “夢日記~「心の音」”

  1. トモトモ

    先生おはようございます。
    台風の物音と、嫌な夢で4時頃起きて、その後、寝たり起きたりしていました。
    夢日記、私はこの3ヶ月疲れて殆ど書けませんでしたが、また書こうと思います。
    ただいま求職活動中です。

    昨夜は電車が動いていたので、志らくのシネマ落語に行って来ました。
    野ざらし、妾馬、ダイハード。ダイハード、が楽しかったです。
    志らくが「野ざらし」やるとこんな風になるのか、と意外でした。(『野ざらしをなんとか十八番にしたい。最も好きな噺だが、最も面白くできない噺。』とご本人が今朝ツイートしてました。)

  2. kawahara

    トモトモさん、こんにちは。

    僕はだんだん、夢と現実の区別がつかない夢が増えてきて困っています。
    幼稚園の頃、トイレに「しるし」をつけておいて、もし迷った時は、トイレに行き、
    その「しるし」があれば現実、なければ夢、という解決策を思いついたのですが、
    近頃は夢の途中で、昔の茅ヶ崎の実家のトイレまで、幽体離脱して電車に乗って、確認しに行っちゃうのです(笑)

    サンリビでとった今年最後の志らくのチケット届きました。
    1階P列だから、まずまずですね。
    ポプテピのフェスも2日間当たりました。チケット運、上がって来ました!

  3. トモトモ

    夢と現実の区別がつかない夢は、よく見ます。
    そこでは10割困っていて、泣き叫んで目が覚め、これは夢だと自分に言い聞かせます。狭い我が家の壁が見えると、現実だとわかります。
    先生は茅ヶ崎まで印を確認に行くのは遠くて大変ですね。
    あとは、「これは夢だ」と自覚があり、「こんな嫌な夢を見続けくらいるなら眠いけど起きよう!」と起きるパターンです。

    今年最後の志らく独演会、私は先約があって残念ながらパスです。

  4. kawahara

    トモトモさん、こんにちは。

    夢と現実の区別がつかないと言えば、芝浜、もその1種ですね。
    そう言えば、今年最後の志らくの独演会は、元は談志が「芝浜」をやる会の後継でしたね。
    僕は、落語の後、よみうりホールの下にあるお好み焼き屋で一杯やるのがいつのまにやら恒例です。

  5. えい

    川原先生、こんばんは。
    えいたろう、改め、えいにしました(一応女子なので)。
     
    百恵ちゃんとの夢、やりとりが小気味好く、いい感じですね。
    私はなんだか不安な夢が多いこの頃です。
     
    今日ちょっと気になることがあり婦人科を受診しました。
    病理検査の結果が出るのに5日から10日かかるそうで、少しだけ不安です。
    なので思わず書き込みました。
    旅行も控えているし、早く結果が出て、何も問題がなければいいなと思います。
     
    大岡山が舞台ということで「義母と娘のブルース」を見ていますが、
    あのベーカリー麦の場所が今ひとつわかりません。カワクリと同じ通りですか?
    あ、以前の記事に書いてあったような気がします。読み返してみます。
     
    では、カワクリの皆さんももうすぐ夏休みですね。どこか旅行の予定などあるのでしょうか。
    また以前のバリ旅行の時みたいな旅行記が読んでみたいな、なんて思いました。
    ではまた、診察でよろしくお願いいたします。

  6. kawahara

    えいさん、こんにちは。

    百恵ちゃんとのやりとりのテンポは、みうらじゅんの「アイデン&ティティー」を意識してみました。

    体調の方は心配ですね。何もなければよいけれど、基本は早期発見・早期治療だから受診は正解ですね!

    「ぎぼむす」のベーカリーは、クリニックを出て商店街を駅と反対方向にまっすぐ行くと進行方向左手にありますよ。
    鰻屋さんまで行ったら行き過ぎだから、引き返しましょう。

    夏休みは僕は、ポプテピのイベントに2デイズ行くくらいです、幕張メッセッセ!
    スタッフの女子がどこかに行くのかは、あまり立ち行ったことを聞くと、パワハラだと言われたら怖いので、聞いてません。
    ではまた~

  7. sin

    現実と区別がつかない夢、ですか、、、

    基本区別がつかないと思うのですが、だって夢だし、、
    夢の中でこれは夢だ!と思う事、もしくは思った事はあまりありません、もしくは思っていてもその記憶は無い、のどちらかです。

    夢の中で夢と認識して、その先のストーリを自分で自由に書き替えられたら楽しいな、と良く思います。

    でも、それとは別に完全に現実と認識していて、普段会えない人に会えたり、昔好きだった子となぜかデートしていたり、時には家族になっていたり、異世界のような所にいたりするのはとても楽しいですね、もちろんその時の記憶を持ったまま起きた時ですが。

    なので夢を夢と意識してコントロール楽しいとは思いますが、それが現実だと思い込んで、突然の出会いや冒険活劇に巻き込まれている方がとっても楽しいですね!!

  8. kawahara

    sinさん、こんにちは。

    最近の僕はと言えば、夢の途中で、「これは夢だな」気付いてストーリー展開を自分でコントロール出来るようになりつつあります。
    しかし、まだ頭でっかちなので、意志に体がついて行かず、「ちょっとキッチンまで行ってこよう」と行き戻ってくると、
    ベッドに自分が寝てて、「ヤバイ、ヤバイ」と思って慌てて、体に戻る、幽体離脱がちょくちょくあります。
    気象が変ですから、きっと疲れてるのでしょう。
    「疲れる」と「憑かれる」って語源が一緒らしいですね。くわばら、くわばら。

  9. 梨々子

    先生、こんにちは。
    クリニックは今日から夏休みなのですね。
     
    夢と現実の区別がつかない、て、私もこの頃似たような感覚があります。
    夢と現実の地続き感、というか。境界線が曖昧です。
    私の場合は夢の中では別人格、別人生で、それがくっきりしていればいるほど
    目が覚めた時、その人格を挟んだ私も昨日までとは違う人間になっているような。
    現実が少しうすく曖昧になっています。戻ってくるのが少し大変というか。
    夢と現実って、あの世とこの世みたいな感覚で、そこを行き来していると
    どちらも有りな感じで、夢の中の方がリアルだったり、よりはっきりとした人格で、
    むしろそっちが私の本質というか本音なのかもと思ったりします。
    子供の頃楳図かずおの「漂流教室」で、巨大な虫に追いかけられ、逃げ場も隠れる時間もなくて
    少年が廊下に椅子の格好になって壁にもたれ、目をつぶり必死に自分は椅子だとイメージしていると
    追いかけてきた虫は、少年に気づかずに通り過ぎるというシーンが印象に残っているのですが、
    私もよく夢の中で追いかけられ、逃げ切れず、隠れきれず、何か別のものになったり気配を消すことが
    あるのですが、今朝その心理がとてもよく似ていな、と思いました。
    夢と現実、あの世とこの世がつながっているような感覚になるのは、お彼岸が近いせいかしら、
    と思うこの頃です。

  10. kawahara

    梨々子さん、こんにちは。

    今日から「夏休み」明けです!
    返信が遅くなりすみません。
    「漂流教室」は僕が小4の時、サンデーで毎週読んでました。
    学校の外を上級生が探検に行くから、「君たち、4年生が学校を守れ」と言われてるシーンが、同学年だったから印象に残っています。

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