川原達二の十中八九N・G

心理部門のコンテスト、告知があって楽しみにしてくださっていた方々もいらっしゃる中、更新が遅れまして、すみません。
お久しぶりです。とくだです。

クリニックの開院当初からカウンセリングを担当させてもらっています。
私は学生時代に精神分析、それを実践している人たちに触れ、心理臨床家(カウンセラー)の仕事に魅力を感じ、
今自分も心理の仕事をやっています。
心理の仕事と一言にいっても幅広いのです。カウンセリングもやり方がたくさんあります。
その中でも、精神分析の理解を中心に、私はカウンセリングをしています。 

精神分析では、無意識の心の活動を仮定します。
今困っていること、意識にのぼっている問題は、無意識の葛藤が影響しているかもしれません。
そういう視点を持って、今ある問題をみつめていきます。

診察とカウンセリングって何がちがうか?

例えば、こういう症状があります、といった時に、診察では、先生から診断について説明があったり、お薬が出たりしますよね。
カウンセリングでは、それをふまえた上で、どういうところから自分の症状がきているのだろうか?
その症状って自分にとってどういう意味があるんだろうか?そういったことを考えたり、感情的に体験したり。
そういうことを通して、その症状をよく理解したり、
似たようなことが起こったら対処できるようになっていく自分になったりすることを目指していくのだろうと思います。
それは再発予防になることもあると思います。
 
ちなみに、診察とカウンセリングの違い、一般的な説明もちょっとしてみます。

精神科医は、精神医学的な疾病論(生物学的、記述的、といった)に立ちます。
医学的な診断は、客観的な病状を中心になされます。お薬も処方ができます。
カウンセリングで臨床心理士は、臨床心理学的な理解に立ちます。
その人の心の中にある生活史や、時には心理検査という客観的な指標を使って、
心の問題を、主観的にも客観的にも理解しようとします。
お薬の処方はできず、お話をうかがいます。

治療態度も精神科医は、管理的立場でチームワークのリーダー的役割を担います。
心理士は、共感的、非指示的傾向が強く、チームワークでは調整的役割を取ることが多いとされます。
これはどちらが良いかといったことではなくて、一長一短がそれぞれの役割にあるものだろうと思います。
 
ところで、日本の武道や茶道、その道を究める修行においては、守・破・離(しゅはり)という考え方があるそうです。
まずは型を覚える、型を「守」る。
次にその身につけた型を「破」る。
そして、初めて型から「離」れ、自分の中にその道を修めることができる。

サッカーでもそうらしいです。
元日本代表監督の岡ちゃんこと、岡田監督が言っていましたが、
ヨーロッパの強豪チームには、そのチーム毎のメソッド(戦術)が確立しているそうです。
それをジュニアクラスから叩き込まれる。
向こうのチームは育成制度がしっかりしているので、一貫したメソッドを確立しやすいようです。
そして、プロになる頃には、そこから少しオリジナルなやり方を試しながら、型を破るわけですね。

これは、心理療法においても似ているところがあるんだろうと思います。
その基本の型があるからこそ、型を崩していくことができるという。
型がない中で、崩しているとそれはそれで自分が何をしているのか、迷ってしまう、見えなくなってしまうと思うのです。
そういう中ではカウンセラーもクライエントも迷ってしまいかねないと思うのです。
私たちのこころは常に動いているし、その動きをみていくには、一つの型を自分の中に持ち、
守ることは大切なことだと思っています。

川原クリニックでは開院当初はカウンセリングもまだ今のような形ではなく、
15分〜20分程、診察の前にお話をうかがうことから始まりました。
そこから少しずつ、心理面接の設定をさせてもらえるようになりました。
面接を設定できる、というところはカウンセリングにおいて大切なところです。

精神分析では治療構造という考え方があり、どのように面接を設定するかで、
その治療関係も大きく影響を受けるからです。
意識も無意識も含めて、じっくりと心の中を探求するには、まずは安心してのぞむための環境が必要です。
その素地を作っていくことを大切にしてきました。
治療構造という考え方は、外的にも内的にも構造を作り、カウンセラーとクライエント、双方がそれを守る努力をしていきます。
外的な要素には、時間や料金や頻度といったものが含まれるし、部屋の広さや座る位置や角度も含まれます。
内的な要素というのは、面接をしていく上での約束ごとや、守秘義務についてなどが含まれます。

同じ曜日、同じ時間の設定を維持していくことで心の中に一定のリズムを作るというか、
心理療法のスペースを作るというか、そういったイメージ。
そうすることで初めてそのリズムとずれてくる部分が出てきたり、
それについて検討することができたり、と意味を持ってくるのです。
診療補助であっても、その指針を自分の中に一つ持ちながらやっていました。
そういった視点をもって関係性をみていくことで、関わりを続けていくことで、
少しずつその関係性も変化していきます。

ここはこういった時間なのだ、という感覚というか体験が重なっていくことで、診察とはまた違った、
カウンセリングでの治療関係ができていきます。
関係性ができてくるに伴って、少しずつ時間の設定が変わり、
今は50分、有料といった形で設定することができるようになりました。
そして、この変遷には、やはり共にその関係性を築いてきてくれた人たちがいたことで、
心理面接のスタンダードな基準と同じようにやれるようになってきたところがあります。
じっくりと自分の心と向き合うにはやはり50分というのはちょうど良い時間のようです。
 
今、心理のメンバーは4人います。
相談室は一つしかないので、曜日によっている人が違います。
月に一度、心理のメンバーで顔をあわせる定例会があり、このクリニックでの心理はどういったものなのか?
案内やホームページを作成していこうとディスカッションを重ねているところです。
私たちそれぞれが考えるカウンセリングはベースの部分は共通しているとはいえ、
人が違えばもちろん大切にするところも違ってくるものです。
案内やホームページではそれぞれの色は分かりにくいかもしれないですが、
こうして各メンバーが書いたものをみるとなんとなくわかってもらえる部分もあるかもしれません。

次は、土曜の担当、谷田さんにバトンを渡そうと思います。
谷田さん、よろしくおねがいします

2 Responses to “カワクリ下克上・心理コンテスト 第1枠”

  1. sin

    とくださんの説明を聞いて、診察とカウンセリングの違いが少し良く解りました。

    こうして話を聞くとみなさんのカウンセリングを聞く価値があるのかな?と思います。

    でもそれは、時間的にも、金銭的にも難しいので、先生か自分で決めるしかないんですね。

    でも決める一つの判断にはなると思います、今回のブログは。

    とくださん、今後もカワクリを宜しくお願いします。

  2. mayu

    とくださん、こんばんは。
    とくださんは開院当時からいらっしゃるんですね。
    頼もしいです。
    これからもカワクリを支えていってください。
    とくださんは好きなサッカーでカウンセリングを例えていましたね。
    同じ曜日、同じ時間にカウンセリングを受けることは重要なことなのですね。

    今回のコンテストで皆さんの記事を読んで親近感が沸きました。
    今まではカワクリの心理士さんのことは全く知らず、謎でしたが皆さんの個性の出てる記事を読んで何となくでも雰囲気は伝わってきて、カワクリにはこういう心理士さんがいるんだなぁ。と分かっただけでも安心しました。

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